◆02. 快晴◆
空高く澄んでいる秋の空。雲ひとつない青空が広がっている。
そろそろ紅葉の時期で、憩いの囁き公園内の街路樹の葉も、紅く色づいている。
快晴ではあるけれど、時折突風が吹く、そんな天気。
強い風に吹かれ、幾つかの木から葉が舞散る。
そんな中、桃色の長い巻き髪をおろした女性が、風に舞う髪を押さえつつ歩いている。
「ああ、もう・・・。わたくし、自らの髪を食べる習慣などありませんわよ」
口元にかかる髪を払いのけながら、つぶやく女性。
そんな女性の傍らには、やや長めの黒髪をした男性が一緒に歩いていた。
「ペコーは髪が長いからな・・・」
そう言って、ペコーと呼んだ女性の髪に手を伸ばす。
「? どうかなさいましたの?ヴェジット」
「いや、この葉っぱが髪飾りみたいに見えてな・・・」
ヴェジットと呼ばれた男性が差し出す、一つの葉。綺麗なまでに紅く染まっている。
「では、それは綺麗に飾っておかなければいけませんわね」
くすっ、と優しい微笑を一つ。手持ちの布に、丁寧に包み、懐に収める女性。
街路樹の道も終わりに差し掛かった頃、男性は一つの質問をする。
「そう言えば・・・。今更かもしれないが、どこに向かってるんだ?」
「あら? わたくし言いませんでした?」
「いや・・・。ただ、ついてきてくれとしか・・・」
「そうでしたかしら。 行き先はわたくしの実家ですの。兄が久々に戻っているということですし、よい機会だと思いましたの」
「よい機会・・・?」
「以前から言ってたではありませんの。わたくしの両親に紹介すると」
「ぇ・・・・・・」
男性の戸惑っている表情を、女性が見たかどうか・・・。それは定かではない。


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